公開森林実習

平成24年度 全国大学演習林協議会 公開森林実習として「天然記念物ヤマネ等森林性小型哺乳類の観察」実習が9月11日〜9月14日に行われました。

実習生は鹿児島大学3名・島根大学1名・京都大学2名・信州大学2名の8名でした。
初日はオリエンテーションの後、安全講習・演習林紹介に続きヤマネの基礎的講義が行われました。

二日目は演習林で行われたヤマネ研究成果の紹介の後、川上演習林でヤマネ巣箱調査が行われました。
実習生も交代で巣箱を開閉し巣材の有無や巣材の種類等、巣箱利用状況を観察しました。


午前中にヤマネは4ヶ所で見つかり、実習生は盛んにカメラのシャッターボタンを押していました。
また僅かにヒメネズミも営巣していましたが巣箱を開けた瞬間に飛び出すヒメネズミに対し、巣箱の中で寝ぼけているヤマネは格好の被写体になります。



午後は捕獲したヤマネの体重測定・雌雄判別・個体標識の装着方法の見学後、一旦夕食・入浴・休憩をして、夜になってから暗視鏡で写したヤマネの夜間行動をモニターを通して観察を行いました。
実習生が集めた木の実や昆虫をヤマネが食べている様子が観察できました。

三日目は朝食前にヤマネの発信器装着と体温測定方法の見学が行われました。
ヤマネの体温を計ると20℃前後で活動が鈍く、接着剤による発信器装着作業は早朝の時間帯が適しています。
※発信器は数日で自然脱落します。

朝食後、前日のヤマネ発見場所にヤマネを放獣し、その後は八ヶ岳演習林見学・ヤマネ巣箱架設・補修方法の実技体験が行われました。
巣箱の組立・架設・補修は簡単に行え、一人3個で計24個の巣箱を2時間程で取り付けられ、巣箱点検の結果、10個程の巣箱を補修しました。


午後はラジオ・トラッキングの練習を行い、川上演習林にて実技体験を行いました。
山地では地形の起伏で発信器の微弱な電波の受信感度が変わり、電波発信方向の特定に実習生は苦労していました。

また自動撮影カメラでヤマネの巣箱利用状況を調べている卒研生から、機器の解説や調査の方法についての解説がありました。
巣箱にはヤマネ・ヒメネズミ以外にも捕食者であるテン・野ネコが撮影されていたり、ニホンジカが巣箱を異物と感じたのか?鼻先でイタズラしている様子が撮影されていました。

最終日は実習のまとめを小論文にし、実習生全員で集合写真を撮影し昼前に解散をして、無事に公開森林実習を終えることができました。